☆〜最大ピンチ編 前編〜☆






毎年冬に僕が住んでいる
京都の西地区(7校)は
合同で演奏会をやっている
去年はその地区の1年生と2年生で分かれて
演奏会を行ったのだが
今年は各学校の






「パートリーダー」と「それ以外」で






演奏会をする事となった
しかし僕はそれを聞いた時
かなりラッキーだと思った
それは





大抵「パートリーダー」というのは
その中で一番うまい人がなるので
(例外もいるんやけど、もちろんそれは僕!)
難しそうな楽器は他の人に任せたら楽できるのだ





と楽勝気分な感じで
西地区のある学校に集合
そして各高校のパーカッションの
「パートリーダー」とご対面
やっぱりみなさん「パートリーダー」に
選ばれるだけあってうまそうである





なんやかんやあいさつをして
少しの間個人練習
みんなの練習を見ると






みなさんやっぱりうまい!






さすがみなさん「パートリーダー」です
僕なんか足下にも及びません
「これでやっぱりみんなに任せられるわ」
と思い練習を見ていると





なにか






ここで何やら違和感が・・・・






それは





何やら





僕に対して





みんなの







視線を感じるのだ








みんなおのおの他の学校の
練習を見てるのではなく





明らかに絶対、完璧に「僕」の方をチラチラ見ている





え?なんで??





なんか変な練習しているのかな??





練習でも下手くそすぎるのかな??





と思ったが





まさか・・・





ここである事を思い出す
それは





最初に書いたように






パートリーダーというのは一番うまい人が選ばれるのだ








という事だ





それで気が付いたのは
僕の学校はこの地区でダントツで実績があり
吹奏楽で有名な学校という事である





で思ったのが





もしかして





みんな





僕の事を







めちゃくちゃうまい奴と思ってるのではないか!?






と思ったのですが
その考えは






大正解!






それは楽器を選ぶ時に
みんなが僕の事を一目を置いてる事がわかる





合奏練習する時に
楽譜を渡されるのだが
僕には







「けん盤楽器」の難しそうな楽譜







を一番に渡される
「何でこんなもん渡すねん!」
と思ったが
みんなから






僕には難しい楽器を渡さないと失礼だビームが明らかに出ている







・・・・・・いやいや、みんな勘違いしてるし





もちろん「けん盤楽器」なんか出来ないし
というか最初の合奏以来やった事がない





ので





絶対無理という事で
正直に





「ごめん僕こんな難しいの出来ませんよ
楽譜にドレミとか書かないと出来ないレベルなんで
というか僕全然下手ですよ」






と素直にみんなに告げると
みんなは







「なかなかおもしろい冗談言いますね〜」






との事





いやいや冗談違うし、なんでやねん!!
ほんまに楽譜にドレミとか書かなわからんレベルやって!!






明らかに名門校というみんなの認識で
何を言っても冗談と思われてしまう





この時
漫画「キャプテン」を見てる人だけしかわからないけど
あの青葉高校から転校してきただけで
めちゃうまいと思われた「谷口くん」
の気持ちがよくわかる





さすがにけん盤楽器は
全く出来ないので勘弁してもらい
他の楽器という事で
出来そうな「シンバル」の楽譜を選ぶと







「そんな楽器でいいんですか?」







とビックリした表情





なんでみんな俺に遠慮するねん
こんなんしか出来へんちゅうねん!






と誤解が解けないまま
次の曲の楽譜選び





なんですが





ここで
何やら僕もあまりにも
みんな期待の目で見るので
何やらそれに答えないといけないかな
と思い
今度はもらった楽器をそのままやる事に腹をくくる
そして





「はいR高校(僕の高校)さんは、これで」





と渡された楽器が





なんと







「ティンパニー」






バカ!なんで「ティンパニー」やねん!!





「ティンパニー」・・・とは打楽器の華の楽器で、これはパートでも出来る人がやる楽器である





「これでいいですか」





と言う問いに
腹をくくった僕は





「はい、いいですよ」





との事
でも内心は





よくないわ!
「ティンパニー」なんかやった事あらへんちゅうに!






「ではお願いします!」




「はいわかりました」





ていうか「スティック」の持ち方すら知らんぞ俺・・・・





という事で
僕は「シンバル」と「ティンパニー」の担当する事になるのであった





わ〜ん、めちゃくちゃ予定外





さらにここで朗報が
なぜ今回「パートリーダー」が集まったのかというと
今回指揮するのが







N響(NHK交響楽団)で指揮をして人が
特別にやってくれるからだったのである







そんな特別いらんし・・・





とマイナス思考だったが
しかしこの時僕は
こうなったら逆に





母校の名誉の為にも頑張るしかない





と思うのであった





でも意気込みは良かったのだが





ただ技術がね・・・・





はたして本番はうまくいったのでしょうか?





後編へつづく・・・・

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