☆〜コンクール編〜☆






月日が経ち僕はとうとう最高学年の3年生になりました
ほんでもって友達のT君は「部長」に
僕は「パートリーダー」と
入部した時には考えられない責任あるポストになっていたのです





そしてこの春またも新1年生が入り
うちのパートにも4人あらたに入り
実力は余裕で僕よりうまいです
これは去年と同じなので
全然なんと思いません





慣れって怖いものですね





ただ新1年生は僕が1年生に負けているのに
全く気付かれてません
それは去年の冬以来
楽器を叩くのをうまそうな感じが
レベルアップしてるので
なんかすごいと思われてます





これでなんとか3年の威厳を保つ





そんなこんなで
その場しのぎのやりくりで
とうとう最後のコンクールがやってきました
最後のコンクールは負けたらその時点で引退で
3年生は全員レギュラーで出場になっているのである





つまり僕にとっては最初で最後のコンクールになるかもしれないのだ





それは3年生にとっては同じ
だからみんな必死に練習するのである
僕はというと





まあなんとか適当に最後もうまくこなさんとな





と最後までニセ部員精神でコンクールを目指す





しかし
入部してからここまでそんなクラブに対して
適当な考えで最後までそんな感じでいくのだろう
と思っていたのだが
その考えが最後の最後で変わろうとするのである





それはコンクール本番3週間前
コンクールの曲の合奏中
顧問が演奏を止め
いつもの注意
その時僕はサスペンドシンバルを叩いていたのだが
その僕に向かって
激しく注意





「シンバルをコトコト鳴らして叩くな!」





と言われ
僕は「すんません」
と謝る





周りから見たら何気ない注意だったかもしれないが





この言葉に





僕の心の中は





一つの思いでいっぱいになる





それは・・・・






今まで何をやってたんだろう







との思い




こんな注意って
入ったばっかりの奴が言われるのであって
3年生の僕が
こんな事を言われてたんじゃ
どうしようもない事である





その時僕はクラブに入って初めて
音楽の事で落ち込むのある





そして





この日





今までの日々を振り返り





ある結論に至る





それは







みんな必死にこのコンクールに懸けているんやから僕が邪魔してはいけない!







という理論





僕にとっては大した事のないコンクールだが
みんなにとっては小・中・高校生とコンクールで
いい成績が残したいがために
この高校を選んで入部してる子もいるので
そんな人へ僕が邪魔をしてはいけない
だからいって彼らに追いつくのは無理だけど
なんとか邪魔にならないレベルまで
追いつかなくては彼らに対して失礼である
という思いを胸にひめ





次の日から
サスペンドシンバルの叩くところを
狂ったように練習をする





思いは
僕のコンクールではなく
みんなのコンクールの為に・・・





その時の練習は
後からみんなに聞くと
僕が一番必死に練習してたらしく
なんかみんな声がかけづらかったらしい





という事で生まれて初めて
必死に努力した結果
ある事に気付く
それは当たり前の事だが





練習したら「うまくなるやん!」





という事
しかし気付くのが遅く
もう3年生





こんな事なら最初から





と思いつつ
コンクールまで必死に朝から夜まで
手がおかしくなるぐらい練習をする





そしてコンクール
そこには
なんとかすべてが迷惑がかからん程度にできるようになっていた
僕がいた





もう演奏は万全な状態
そして実はもう一つ万全な状態の事が
それは後程で





コンクール本番





さすがに初めてコンクールなんでかなり緊張
しかしみんな自信はあるので
曲が始まれば落ち着いて演奏
僕もちゃんと練習どおりの演奏をこなす





しかし僕はこのコンクールで
みんなどの高校も真面目に叩いてる中
そんなじゃ面白くないという事で





本番のステージでは
ノリノリで叩き
スティックを回したり
投げてそれをつかんだり
邪魔しない演奏&魅せる演奏を行う





これこそ僕らしい





そして無事演奏終了





僕はやりきったので完全燃焼
&初めて音楽で貢献できたんじゃないかと
思いがした





そして結果は







金賞






でしたが次へ大会のメンバーには
選ばれず






引退





その瞬間周りの同級生
後輩は泣いていたが
僕は







やっと終わった・・・・・・







と思っていた
ようやくこのできないのにいる
という生活から逃れると思うと
3年分の疲れがとれたのである





という事で
長かったですがようやく終わりです





高校3年間しんどいおもいしかなかったのですが





今思えば





充実した3年間だったと思います
しかしほんまクラブの記憶しかないな・・・





そしてOBになり
後輩のマーチングを見ると
「すごいな〜」
と思いつつ
「俺あんな所でよくやってたな〜」
俺すごいなあ
と自分に感心するのである





おわり

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