☆〜初舞台編〜☆






入部してから1ヶ月が経ちました





その間休みは
月曜日に1回で
忙しい月にはそれもなくなり
朝練とかもある





入部前はT君と遊ぶ予定が
全くそんな事も出来ず
なぜか手にマメを作って練習している日々
T君も一緒で
中学の時あれだけさぼってた男が
毎日練習している
というか二人ともせざる得ない環境





そしてこの頃
ようやくひまつぶしに入った事が
間違いであった事に気付く





だってね
ここは勝つ為にやっている
本気のクラブなんですもん・・・・





という事で毎日僕は





なんで俺は好きでもないのに音楽を一生懸命練習してるんだ・・・・





と思いながら過ごしている
そんなある日
何かのマーチング(簡単に言えば動きながら演奏)のイベントで
本来3年・2年生だけ演奏するのだが
打楽器だけ音を加えたいという事で
僕らパーカッション1年生だけそれに加わる事となった
つまり僕らパーカッションの1年生だけ
先行デビューする事となった
同じ1年のYちゃんは喜んでいたが
僕は






余計な事を・・・・






と顔が引きつる
1ヶ月経ったが楽器を使った練習なんてしてなく
ほとんどスティックを叩く練習か
マーチングの歩く練習しかしてないのだ
だから小学校からやっていてコンクールも何度も出ている
Yちゃんにしては余裕だが
僕にしては







人前でなんかするなんて中学の時の合唱コンクールぐらしかやった事ねえよ〜







という感じである
でも決まった以上にやるしかない
腹をくくって先輩に何の楽器をするかと聞いてみると
生まれて初めて人前でやる楽器とは
なんと・・・・







「ドラ」







である
そう「ゴーーーーーン」って鳴らすあのドラである






間違ったらめっちゃ目立つやん・・・・・






とへこんだが
しかしここで吉報が
なんと叩く箇所は
最後から2小節目の所1発だけ叩けばいいと言われたのである






1発だけならなんとかできそうだ





と喜んだが
ただその叩く場所まで128小節ぐらいある
この時やった曲は「FIRE BIRD」(火の鳥)
吹奏楽をやった事人ならお馴染みの曲で
だいたいの人はメロディーは言えて
数えなくてもここで叩けばと言えばわかるのだが
もちろん僕にとってはお馴染みでなんでもなく
やる曲やる曲が初めて聞く曲ばっかりなので
そんな事はできずひたすら128小節数えなくてはいけないのだ





このドラがどんな感じかというと
その叩く場所は一番最後の盛り上がる所で
ドラを「ゴーン」と鳴らして
最後にバンドが2小節の決めのメロディーを吹いて終わると感じだ





さあ果たして初舞台うまくいったのでしょうか





いよいよ本番スタート
曲が始まりマーチングなんで格好いい衣装を着て
動きながら演奏している先輩
その中





僕はひたすら128小節を数えている
今この数があってるのか不安に思いながら・・・





そしてとうとうきました





128小節目!!





僕はおもいきり振りかぶりドラを叩く





「ゴーーーーーン」





決まりました!





ちゃんと叩けました





よっしゃ叩けたと僕は満足





そして最後の2小節の先輩を見ようと思い
そちらを見ると





とんでもない事が!!





なんと・・・・





すでに・・・・







曲が終わっていたのである







・・・・・・あれ?





・・・・・・どういう事??





・・・・・・・????





あ?もしかして!!!





そう
その「もしかして」である
僕は数え間違えて







曲の終わりと同時にドラを鳴らしてしまったのである







わかりずらいがこんな感じ
「チャチャチャン!ゴーーーン!」





という事で曲の終わりの合図みたいに
おもっきりドラを鳴らしてしまったのである






完全にやってしまった・・・・・ドラを・・・・・間違ってめっちゃ目立ったやん・・・・






その晩はかなり落ち込んでしまいました






この時思ったことが






最悪のデビューや・・・・・
もう演奏なんて嫌やわ・・・
それより何より







「ドラ」って大嫌いや!!!







つづく

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